大阪維新は大阪府立高校の民営化を推進。

2023年5月29日

大阪維新の会 府市マニフェスト2023に「府立高校公設民営化への推進」とあります。

これは、国の進める国家戦略特区。
内閣府HPを見ると、公設民営学校は愛知県が先行、大阪府も続いて特区申請していることが分かります。

https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/menu/kyouiku.html

そもそも公立学校を第三者が管理することはできませんでしたが、国家戦略特区に申請すればできるように変わりました。ただ、先行事例の愛知県では専攻科の2学級のみ民営化する、限られたもの
しかし、「大阪府立高校の公設民営化を推進」となると、どのくらいの規模で大阪府立高校が民営化されるのでしょうか。

https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/pdf/punch/y9-1.pdf

大阪府議会の議事録で「高校 公設民営化」で検索したところ、ヒットしたのがこちら。

私は、現代社会においては、民間にできることは民間に任せるべきだと考えています。学校教育に関しても、義務教育ではない高等学校については、思い切って民間の力を導入することも必要だと思っております。府立学校の施設整備は、今後一斉に更新時期を迎える中で、大阪府の急速な人口減少や厳しい財政状況を踏まえ、できる限り少ない経費で最適な老朽化対策を計画する必要があります。府は、これまでどおり、築後七十年をめどに順次改築していくとの方針ですが、府立高校を民営化すれば、この多額の整備費用も抑えることができ、浮いた費用は学力向上に回せばよいと私は考えています。…
大阪の学校教育がさらに充実発展するためにも、府立高校の民営化を進め、新時代に対応した子どもたちの資質能力を育成することを目指すべきであります。
 また、高校の特色化の一環として、府立高校の公設民営化という手法も考えられます。先ほど述べた大阪市立高等学校では、公設民営化により国際バカロレアに取り組むといったことも行っており、これまでの枠を超えた特色化も可能となることから、府立への移管を契機に、まずは公設民営化を他校に広げていき、さらに府立高校の完全民営化といったことについても、今後、教育庁として推し進めることを要望して、次の質問に移りたいと思います。

維新の会枚方支部幹事長 岡沢隆一府議発言 大阪府 議会令和2年2月定例会教育常任委員会 03月11日-01)
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/prefosaka/SpMinuteView.html?council_id=2035&schedule_id=2&minute_id=118&is_search=true

つまり「府立高校の整備費用を抑えるために、義務教育ではない高校は民間にまかせるべき。完全民営化を進めるため、まずは公設民営化」を、という要旨の発言となっています。

しかし、公設民営化で民間に任せられるのは「運営」のみ。「公設」なので、整備費用は基本、大阪府のまま。整備費用削減のためには、完全民営化かPFI(水道民営化などで使われる主な手法)しかありません

https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/tebiki/kiso/kiso03_01.html

大阪府立高校は、3年連続定員割れすれば統廃合の対象です(一人でも定員割れすれば、統廃合の対象)。
統廃合だけでなく、人気校ですら定員削減も続いており、少子化の減少分を一手に府立高校が引き受けています。地元に公立高校がない…このままでは、そんな地域が、大阪府全域で増えていくことでしょう。

大阪府教育委員会は23日、府立高校の新たな再編整備計画案を承認した。2023年度からの5年間で生徒の新規募集を停止する9校程度を公表することを盛り込んだ。3年以上連続で定員割れとなっている学校が対象となる見込みで、同定員割れは大阪市外の府立高が多い。府立高がゼロになる自治体が増えることを懸念する声も出ている。

府教委が23日に承認した再編整備計画案では、27年度末に府内の公立中学校を卒業する生徒が23年度比で約4000人減の約6万2900人になるという推計などに基づき、9校程度の募集停止を明記した。3月末に最終的に計画を決定する。…

府教委によると、約150校の府立高のうち、3年以上連続で定員割れし現時点で募集停止が決まっていない学校は14校ある。そのうち大阪市外にある高校は10校で約7割に上る。

14校の中には不登校の経験者や発達障害を抱える生徒にきめ細かな支援をする「多様な教育実践校」として存続している学校や、すでに募集停止が決定した学校の統合先になっている高校があり、これらは再編対象にはならない見通し。一方、2年連続で定員割れしている高校は11校で、定員割れが続けば23年度以降に募集停止の対象になる可能性がある。

【日経新聞2023/1/23】大阪府立高、9校程度で募集停止決定 「空白地」拡大も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF234I30T20C23A1000000/